原材料費や燃料費が跳ね上がるたびに、国は支援策を出します。そして毎回、同じことが起こります。「うちも使えたのに、気づいたときには締め切りだった」。
これは情報が届かなかったからではありません。順番を知らなかったからです。
過去の危機を並べると、順番が見える
過去の原材料・エネルギー高騰局面で、政府がどう動いたかを並べてみます。
| 年 | 政府の初動 | 出てきた実弾 |
|---|---|---|
| 2008年 | 危機顕在化から約2ヶ月 | 緊急保証枠 20兆円 |
| 2022年 | 危機顕在化の翌日 | 事業再構築の緊急枠 上限4,000万円・補助率3/4 |
| 2026年 | セーフティネット貸付を先行発動 | 補正予算での特別枠が焦点 |
読み取れることは2つあります。
ひとつは、政府の初動は年々速くなっていること。2008年は2ヶ月かかった判断が、2022年には翌日に出ています。
もうひとつは、出てくる順番がほぼ固定されていることです。
- まず貸付・保証が動く(既存制度なので即日レベルで使える)
- 数ヶ月かけてコスト転嫁の実態が数字に出てくる
- 補正予算が組まれ、そこで補助金の特別枠が発表される
- 申請開始——ここで初めて「書類を出す」段階になる
問題は4番です。申請開始から締め切りまでは、たいてい1ヶ月前後しかありません。その1ヶ月で決算書を整え、資金繰り表を作り、GビズIDを取得し、認定を取りに行くのは物理的に無理です。
つまり、勝負は3番が発表される前に終わっています。
「先に揃える」と言われても、何を?
順番が読めるなら、逆算できます。特別枠の発表を待たずに揃えられるものは、実はこれだけあります。
- 月次試算表(直近まで締まっていること)
- 仕入価格の証明(前年同月比で何%上がったかが分かる資料)
- 資金繰り表(少なくとも6ヶ月先まで)
- GビズIDプライム(取得に2〜3週間かかることがある)
- 市区町村の認定申請(セーフティネット保証は自治体の認定が前提)
どれも「補助金が出るかどうか」に関係なく、経営に必要な資料です。外れても損しない準備だけを先にやる、という考え方です。
秋田で差がつくのは「BCP認定」
もうひとつ、加点要件として頻繁に顔を出すのが事業継続力強化計画(BCP)の認定です。
近年の補助金では、この認定を持っていると加点される設計が定番になっています。ところが、秋田県内での取得率は極めて低いのが実情です。
これは裏返すと、取れば差がつくということです。しかも認定は補助金と違って通年で申請できます。「枠が発表されてから慌てる」対象ではなく、「今のうちに済ませておく」対象です。
実務として、今日やること
順番に一つだけ選ぶなら、GビズIDプライムの取得状況を確認することをおすすめします。持っていなければ即申請。ここが詰まっていると、他が全部揃っていても申請画面にすら入れません。
そのうえで、月次試算表が何ヶ月遅れているかを見てください。3ヶ月以上遅れているなら、それが本当のボトルネックです。
「毎回そこから」を終わらせる
支援策のたびに書類集めから始めていると、毎回同じ2週間を溶かします。逆に、月次が締まっていて資金繰り表が回っている会社は、発表の翌週には申請できます。
弊社の伴走支援では、この「常に申請できる状態」を平常運転にするところからお手伝いしています。補助金を取ることそのものより、取れる体を作っておくことのほうが、結果的に効きます。
合同会社ヨミノワは、秋田を拠点にAI活用の伴走支援を行っています。
