日本銀行の地域経済報告(さくらレポート)では、全9地域の景気判断が据え置かれ、東北を含む各地域が「緩やかに回復」または「持ち直し」と評価された局面があります。同時に報告されたのが、中小企業を含めた賃上げの継続でした。
地方の経営者にとって、賃上げは半分は前向きな話で、半分は重い負担です。人が採れないから上げる。上げれば利益が減る。この板挟みは、多くの現場で続いています。
賃上げは「コスト」であると同時に「加点材料」
見落とされがちなのが、補助金の審査における賃上げの位置づけです。
省力化・生産性向上を支援する各種制度では、賃上げに関する要件や加点項目が設けられていることが一般的です。「事業計画期間中に給与支給総額を年率で一定以上増加させる」「事業場内最低賃金を地域別最低賃金より一定額以上高くする」といった形が典型です。
つまり、どうせ上げなければならない賃金を、申請書の中で計画として位置づけることで、審査上の評価につながる可能性があります。
順番が大事
ただし、注意点があります。
- 加点を狙って無理な賃上げ計画を書くと、後で未達のペナルティを受けることがあります。返還を求められる制度もあります。
- 要件と加点の内容は制度ごと・年度ごとに異なります。必ず最新の公募要領を確認してください。去年の情報で判断しないこと。
現実的な進め方は、まず自社が今後2〜3年でどこまで賃金を上げられるかを、収支の裏付けとともに固めること。その計画を制度の要件に照らして、無理なく満たせる範囲で申請に反映させる。計画が先、加点は後です。
賃上げ余力をつくるのが本丸
そして最も重要なのは、賃上げの原資をどう作るかです。売上を伸ばすか、間接業務の時間を削るか。多くの会社にとって、後者のほうが着手しやすく、効果が早く出ます。
回復基調にある局面は、体制を整えるのに適したタイミングです。
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