AI関連の技術は、半年で景色が変わります。去年もてはやされた仕組みが、今年には「もう使わない」と言われている。
この速度の中で、中小企業が取るべき態度は明快です。流行りの層を挟まず、シンプルに使う。
「便利な枠組み」の落とし穴
AI開発の世界には、複雑な処理を簡単に書けるようにする「フレームワーク」と呼ばれる道具が多数あります。導入すれば楽になりそうに見えます。
しかし実務では、次の2つの問題が起きます。
①中で何が起きているか分からなくなる。 不具合が出たとき、自社の設定が悪いのか、枠組み側の問題なのかが切り分けられない。復旧に時間がかかります。
②寿命が短い。 半年で主流が入れ替わることが珍しくありません。乗り換えのたびに作り直しが発生します。
シンプルな構成の強さ
代わりに推奨されるのは、AIを直接呼ぶだけの素朴な構成です。
地味に見えますが、利点があります。
- 動作が理解できるので、自分たちで直せる
- 流行が変わっても影響を受けにくい
- 固定費が積み上がらない
中小企業には専任のIT担当がいないことがほとんどです。「誰も分からない状態」を作らないことが、何より優先されます。
これは技術の話ではなく経営の話
同じ構造は、AI以外でも起きています。
多機能な業務システムを入れたが、使っているのは3割の機能だけ。担当者が辞めたら誰も設定を触れない。年間保守費だけが残る——見覚えのある光景ではないでしょうか。
入れる前に問うべきは「便利か」ではなく「自社で理解し続けられるか」です。
判断の3つの質問
新しいツールを検討するとき、この3つを聞いてください。
- これが止まったとき、社内の誰が原因を調べられますか
- 提供元がサービスを終了したら、データは取り出せますか
- いま使わない機能を除いたら、月額はいくらですか
3つとも答えられないなら、導入は見送っていい。流行に乗り遅れることより、抜けられなくなることのほうが高くつきます。
必要になったら、そのときに入れればいい。技術は待っていてくれます。
合同会社ヨミノワは、秋田を拠点にAI活用の伴走支援を行っています。
