自社のチラシ、ホームページ、名刺、封筒。並べてみると、微妙に色が違う。ロゴの余白も違う。担当者が変わるたびに雰囲気が変わる——中小企業でよくある光景です。
これは「デザインのセンスがない」問題ではなく、仕組みがない問題です。
デジタル庁が公開しているデザインシステムの考え方が、そのまま解決策になります。
3つの層
- ①デザイントークン — 色・文字サイズ・余白を「変数」として決めておく層。例:メインカラーは#1A4C8B、見出しは24px、余白は8の倍数
- ②コンポーネント — ボタン、見出し、表など、繰り返し使う部品を決めておく層
- ③パターン — 部品を組み合わせた画面や紙面の型を決めておく層
要するに、先に決めておいて、毎回それを使うという話です。
なぜこれが効くのか
効果は見た目の統一だけではありません。本命は判断コストの削減です。
チラシを作るたびに「この色でいいか」「この文字サイズでいいか」を考えるのは、地味に大きな負担です。トークンとして決めておけば、その判断が消えます。担当者が変わっても、迷いません。
さらに、外注時の指示が明確になります。「いい感じにお願いします」ではなく「メインカラーはこの色、余白は8の倍数で」と言える。手戻りが激減します。
アクセシビリティは「余裕がある会社の話」ではない
デジタル庁のシステムは、アクセシビリティ(WCAG 2.1 AA準拠)を最優先しています。
これは福祉の話に聞こえますが、実務的にはもっと単純です。文字が小さすぎない、色のコントラストが十分、色だけで情報を区別しない。
秋田の顧客層を考えてみてください。50代・60代の経営者が、明るい屋外でスマホを見る場面が多い。薄いグレーの小さな文字は、単純に読めません。アクセシビリティは、そのまま売上に直結します。
中小企業版の始め方
3層すべてを整える必要はありません。①トークンだけを決めてください。
- メインカラー1色、サブカラー1色(この2色以外は使わない)
- 見出しの文字サイズ、本文の文字サイズ(この2つだけ)
- 余白の基準値を1つ(例:16px、その倍数か半分だけ使う)
A4一枚にこれを書いて、社内で共有する。それだけで、来月から作られるものの統一感が変わります。
政府が公開しているものを土台にできる、というのは中小企業にとって大きな追い風です。
合同会社ヨミノワは、秋田を拠点にAI活用の伴走支援を行っています。
