「AIを使ってみたいが、どの業務から始めればいいか分からない」。この問いに対する私の答えは、かなりの確率で「補助金申請の書類作成から」です。
理由は、この一手が三方向に効くからです。
一鳥目:自社の資金調達になる
まず単純に、補助金が取れれば現金が入ります。
補助金申請の何が大変かというと、事業計画書の作成です。数千字から一万字を超える文書を、指定された論理構成で書かなければならない。多くの経営者がここで挫折し、あるいは高額な外注に出しています。
ここはAIが最も得意な領域です。自社の状況を箇条書きで渡し、公募要領の構成に沿って草稿を書かせる。ゼロから書くのと、出てきた草稿を直すのとでは、負担がまるで違います。
注意点は、AIの出力をそのまま出さないこと。数字と固有名詞は必ず自分で確認してください。事実の裏取りは人間の仕事です。
二鳥目:顧客への提案ネタになる
自社でやってみると、当然ノウハウが溜まります。
そして周りを見渡すと、同じことで困っている取引先が必ずいます。「うちはこうやって申請書を作った」という話は、実績付きの提案になります。机上の空論ではなく、自分が通した話なので説得力がまるで違う。
新しいサービスを考えるとき、自社で使って効いたものを外に出すのが最も外れません。
三鳥目:新しい市場が見える
補助金は毎年制度が変わり、締切があり、書類が複雑です。つまり継続的に発生する面倒です。
継続的な面倒があるところには、必ず継続的な需要があります。「補助金 × AI」は、地方の中小企業支援の文脈でまだ空いている領域です。行政書士や商工会と組む形も含めて、事業として成立する余地があります。
最初の一歩
まずは、今年応募を検討している補助金の公募要領をひとつ用意してください。それをAIに読ませ、「この要領で求められている記載項目を一覧にして」と聞くところから始めます。
いきなり文章を書かせるのではなく、要件の整理から。これが失敗しない入り方です。
合同会社ヨミノワは、秋田を拠点にAI活用の伴走支援を行っています。
