社内の議論が噛み合わないとき、その原因はたいてい「今、何をする時間なのか」がズレていることにあります。
アイデアを広げたい人と、結論を出したい人が同じ会議にいると、話は永遠にまとまりません。
これを整理するのが、英国デザインカウンシルのダブルダイヤモンドというフレームです。
4つのフェーズ
ダイヤモンド(◇)の形が2つ並んだ図をイメージしてください。
- Discover(発見) — 広げる。何が問題なのかを、決めつけずに集める
- Define(定義) — 絞る。集めた中から「解くべき問題はこれだ」を1つ決める
- Develop(開発) — 広げる。その問題への解決策を複数考える
- Deliver(提供) — 絞る。1つに決めて、実際に届ける
広げる→絞る→広げる→絞る。この往復が2回あるので、ダイヤモンドが2つなのです。
よくある失敗は「1つ目を飛ばす」
中小企業の会議でいちばん多いのは、いきなり③から始めるパターンです。
「人手不足だから、システムを入れよう」。これは問題を定義せずに解決策の議論に入っています。人手不足のどの部分が、どれくらい効いているのか。それを見ずに道具の話を始めるので、導入しても効きません。
①②に時間を使う会社は少ないですが、ここが最も投資対効果の高い時間です。
AIが効くのは①と③
面白いのは、AIが得意なのが広げるフェーズだという点です。
①Discoverでは、問い合わせ履歴や日報をAIに読ませて「実際に何が起きているか」を洗い出せる。人間の記憶より正確です。
③Developでは、解決策の案を10通り出させて、そこから選ぶ。人間が3案しか思いつかないところを、選択肢を広げられます。
逆に②Defineと④Deliverの「絞る」は、経営者にしかできません。何を捨てるかを決めるのは、責任を持つ人の仕事だからです。
会議の冒頭で宣言する
明日からできることは1つ。会議の冒頭で「今日は広げる日です」「今日は決める日です」と宣言することです。
これだけで議論の噛み合わなさが激減します。フレームワークは、覚えるものではなく口に出して使うものです。
合同会社ヨミノワは、秋田を拠点にAI活用の伴走支援を行っています。
