損益分岐点(BEP)は、難しそうな名前のわりに計算は単純です。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
固定費は、売れても売れなくても出ていくお金。家賃、正社員の給与、リース料、保険料。限界利益率は、売上から材料費や外注費など「売れた分だけかかる費用」を引いた残りの割合です。
たとえば固定費が月150万円、限界利益率が50%の会社なら、BEPは月商300万円。ここを超えるまでは、どれだけ忙しくても赤字です。この「超えるまでの区間」を、私たちは死の谷と呼んでいます。
多くの中小企業で谷が深い理由
日本の中小企業は固定費、とくに人件費の比率が高い構造です。だから谷が深く、長い。景気や受注が少し落ち込んだだけで、すぐ谷底に落ちます。
谷を浅くする方法は2つしかありません。固定費を下げるか、限界利益率を上げるかです。
現実的にできること
- 固定費の棚卸し: 使っていないサブスク、惰性で続けている広告枠、稼働率の低いリース機材。年1回でいいので全部並べて、1つずつ「これは今も必要か」を問う。
- 変動費化: 常時雇用ではなく繁忙期のみの外注に切り替える、自社サーバーをクラウドに移す。固定を変動に変えると谷が浅くなります。
- 限界利益率の改善: 値上げが最も効きます。材料費10%削減より、価格3%改定のほうが効果が大きいケースは珍しくありません。
AIの位置づけ
AI活用は「固定費を下げる」ではなく「固定費を増やさずに仕事量を増やす」方向で効きます。売上が1.5倍になっても人を増やさずに済めば、BEPは据え置きのまま利益だけが伸びる。これが最も健全な使い方です。
まずは自社のBEPを計算してみてください。谷の深さを知らないまま走るのが、一番危ない状態です。
合同会社ヨミノワは、秋田を拠点にAI活用の伴走支援を行っています。
