労働分配率とは、稼いだ粗利のうち、どれだけが人件費になっているかを示す割合です。ここに、多くの中小企業が抱える構造的な苦しさが表れています。
- 全産業平均: 53.6%
- サービス業: 71.5%
- 医療・福祉: 83.0%
- 製造業: 約55.3%
医療・福祉では、粗利100万円のうち83万円が人件費です。残り17万円で家賃、光熱費、車両費、システム費を払い、その残りが利益になります。
利益が削られていく順序
決算書を上から下に読むと、利益は段階的に削られます。
粗利率(製造20〜30%、SaaS 70〜90%)→ 営業利益率(日本の上場企業平均5〜7%)→ 経常利益率(4〜8%)→ 純利益率。
この圧縮の主犯が人件費です。だから「粗利率90%の美容室が、営業利益率は5〜15%」という現象が起きます。
賃上げのジレンマ
労働分配率が7割を超えている状態で賃上げをすれば、利益は直撃を受けます。かといって賃上げしなければ人が採れず、辞めていく。多くの経営者がこの板挟みにいます。
出口は一つしかありません。粗利の総額を増やすことです。分配率を下げるのではなく、分母を大きくする。
分母を増やす現実的な手
人を増やさずに粗利を増やすには、1人あたりの生産性を上げるしかありません。ここでAI・IT活用の話になります。
- 見積・請求・報告書の下書きを自動化し、営業や現場の時間を増やす
- 問い合わせの一次対応を自動化し、機会損失を減らす
- 記録・転記作業を削り、残業代そのものを減らす
大切なのは順番です。まず時間を空け、空いた時間で売上を作る。時間を空けるだけで終われば、単なるコスト削減に留まります。
自社の労働分配率を計算し、業種平均と比べるところから始めてください。
合同会社ヨミノワは、秋田を拠点にAI活用の伴走支援を行っています。
