2026年7月30日に公表された国の40年試算に、新しい項目が1つ加わりました。生産性(全要素生産性)を押し上げる要因の内訳に、「AIの導入」が入ったのです。
数字は、+0.2ポイント。
これは経済協力開発機構(OECD)の研究をもとに置かれた値で、考え方としてはパソコンの普及と携帯電話の普及の差分から導かれています。つまり国はAIを、過去の情報機器の普及と同じ種類の出来事として見積もっている、ということです。いわゆる汎用人工知能のような話は、この試算に一切入っていません。
ここで大事なのは、国の見積もりが高いか低いかを当てることではありません。国が公式に置いた前提が分かったこと自体が、使える情報です。
なぜなら、政策も予算も、この前提の上に組まれるからです。AIを+0.2ポイント程度の出来事と見ている国は、AIそのものより設備投資や研究開発に大きな枠を置きます。実際、同じ試算の押し上げ要因には、大規模設備投資・対日直接投資・研究開発投資・教育訓練投資が並んでいます。
そしてもし、実際のAIが+0.2ポイントで済まなかった場合。差が出るのは国の試算表ではなく、先に使い始めた会社と、そうでない会社の間です。国の想定が控えめであるほど、想定を超えた分は制度の外側で分配されます。
国の前提は公開されています。それを上回るかどうかを決めるのは、各社の側です。
合同会社ヨミノワは、秋田を拠点にAI活用の伴走支援を行っています。
