日銀が7月9日に公表したさくらレポート(地域経済報告)で、東北の総括判断は「持ち直している」。4月から据え置きです。ただ、この一行だけ読んで安心すると、内訳を読み違えます。
東北の内訳はこうなっています。
- 設備投資:増加基調にある
- 個人消費:緩やかに回復
- 雇用・所得:改善
- 公共投資:持ち直しの動きが一服
- 住宅投資:弱い動き
上の3つと下の2つで、向きが逆です。
「企業は投資し、家計は家を買わない」
この非対称は東北だけの話ではなく、全国ほぼ全地域で同じ形が出ています。設備投資はほぼ全地域で「増加」、住宅投資はほぼ全地域で「弱い」。
建設業に置き換えると、意味はかなり具体的になります。民間の設備工事は増える方向、公共工事と住宅は頭打ち。同じ「建設業」でも、受注のミックスがどちら寄りかで、来期の景色がまったく変わるということです。
来期計画は「業界の平均」ではなく「自社の構成比」で立てる
ここで手を動かす価値があるのは、景気予想ではありません。自社の受注構成を数字で持っているかどうかです。
- 直近2〜3年の受注を「公共/民間設備/住宅/修繕」の4つに分ける
- それぞれの売上と粗利率を出す
- 公共と住宅の比率が高ければ、民間設備・修繕側の営業を先に厚くする
伝票と工事台帳をそのままAIに読ませて分類・集計させれば、この作業は数時間です。勘で「うちは半々くらい」と思っていた比率が、実際は7:3だった、というのはよくある話です。
設備投資が増えている、ということは補助金も動く
もうひとつ。企業の設備投資が増加基調にあるということは、設備を売る側にとっては追い風でもあります。省力化投資やデジタル化の補助金は、まさにこの局面を後押しするために置かれているものです。設備を導入したい会社が動いている今は、提案する側にとっても悪くないタイミングです。
景気判断の一行は据え置きでも、その下の5行は動いています。読むべきは、いつも内訳のほうです。
合同会社ヨミノワは、秋田を拠点にAI活用の伴走支援を行っています。
