いま日本の経済は、少し不思議な配置になっています。
日銀は2026年6月に政策金利を1.00%まで引き上げ、さらにもう一段上げる観測も出ています。金利は「上がる」局面です。一方で物価(生鮮食品を除く消費者物価)は2026年度も2%近くで動き続ける見込み。そして為替は、日米の金利差を背景に円安が続いています。
金利も上がる、物価も上がる、円は安い。この3つが同時に起きているのが今です。
ここで昔ながらの感覚だと「金利が上がったら借金は損、無借金がいちばん安全」と考えます。もちろん借りすぎは危険ですが、この局面には見落としがあります。
物価が年2%で上がり、金利がそれと同じか少し低い水準に抑えられている状態を、経済の言葉で「金融抑圧」と呼びます。かんたんに言うと、借りたお金の「重さ」が、時間とともにインフレでじわじわ軽くなっていく状態です。固定の低金利で借りて、その資金を値上がりするもの(設備・在庫・人・仕組み)に換えておくと、返す頃には実質の負担が目減りしている、ということが起こり得ます。
逆に、現金をそのまま金庫に寝かせておくと、物価が上がるぶんだけ、同じ100万円で買えるものが毎年少しずつ減っていきます。「何もしないこと」にもコストがかかる時代なのです。
だからこそ、いま考えたいのは「借りるか・借りないか」ではなく「借りたお金を、値上がりするどんな価値に換えるか」です。たとえばAI導入で人手を効率化する、集客の仕組みを作る、といった「あとで効いてくる投資」に回すのは、この局面と相性がいい使い方です。
もちろん、返済計画は無理のない範囲で。これは投資や融資の助言ではなく、いまの経済環境をどう読むかという一つの見方です。判断はご自身の資金繰りと相談しながら。ただ、「金利が上がったから守りに入る」だけが正解ではない、という視点は持っておいて損はありません。
合同会社ヨミノワは、秋田の経営者と「攻めと守りの配管」を一緒に考えています。
