国の文書は長い。骨太の方針も、日銀の展望レポートも、読み通そうとすると1日仕事です。そして読み通しても、たいていは前の版とほとんど同じことが書いてあります。
だから、読み方を変えます。通読しない。前の版と並べて、差分だけを取る。
やり方は単純です。新しい版と1つ前の版を両方とも生成AIに読ませて、「両者の差分だけを箇条書きで挙げてください。表現の言い換えは除き、内容が変わった箇所に限ってください」と指示する。数分で表になります。人間は、その差分が自社にとって何を意味するかを考えるところにだけ時間を使う。
差分に意味があることを示す実例が、ちょうど直近にありました。骨太の方針2026は、2026年7月21日に閣議決定されています。その原案が6月に公表されたあと、円安と金利上昇が進みました。すると確定版には、日本銀行法第3条にもとづき金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられる、という一文が脚注に追加されていました。
本文ではなく脚注です。たった1行です。ですが、市場の動きを受けて政府が文書を書き足した痕跡が、そこにあります。通読していたら気づきません。差分を取れば一発で目に入ります。
読む作業と、判断する作業を分ける。読む側はAIに渡して構いません。判断する側だけは、渡せません。
合同会社ヨミノワは、秋田を拠点にAI活用の伴走支援を行っています。
