鳥獣・ジビエの補助金地図 — 交付金3本を出典と確認日つきで

    この地図の使い方(先に3つだけ)

    鳥獣害とジビエに使えるお金は、ほとんどが交付金です。補助金と似ていますが、国が都道府県や市町村を通して配るところが違います。だから読み方の順番が決まっています。

    1. 金額より先に「誰が申請できるか」を見る。 交付金には事業実施主体(=申請できる立場)が決まっています。個人や1社では直接申請できないメニューがあります。
    2. 年度で変わる。 ここに書いた数字はすべて出典URLと確認日を添えました。確認日から時間が経っていたら、そのまま使わず、出典を開き直してください。
    3. 窓口は市町村。 国の資料を読んでから市町村に行くと話が早い、という順番です。逆はうまくいきません。

    このページは制度の一般的な説明です。個別の案件について「通る/通らない」の判断は書いていません。


    1. 鳥獣被害防止総合対策交付金(農林水産省)

    ジビエの話でいちばん大きい本流です。柵の設置から捕獲、処理加工施設、ジビエの販路開拓まで、ひとつの交付金の中にメニューが並んでいます。

    項目 内容
    所管 農林水産省
    令和8年度 予算額 9,900百万円(前年度 9,900百万円)/令和7年度 補正予算額 6,800百万円
    令和9年度 概算要求 19,574百万円(前年度 9,900百万円=約2倍
    事業実施主体 メニューにより 民間団体等(一般社団法人を含む)または都道府県
    交付率 定額、1/2 等(メニューにより異なる)
    主なメニュー(令和9年度 概算要求時点) ①鳥獣被害防止総合支援事業 ②都道府県活動支援・広域捕獲活動支援 ③緊急捕獲活動支援 ④シカ・クマ特別対策等 ⑤スマート捕獲等普及加速化 ⑥鳥獣被害対策基盤支援
    事業目標 捕獲鳥獣のジビエ利用量 4,000t(令和11年度まで)
    ジビエ関係の記述 「ジビエ利用拡大に向け、ジビエ施設への搬入から消費の各段階での取組を推進」「未利用部位のペットフード利用
    申請ルート 市町村または地域協議会を経由するのが基本
    出典 / 確認日 令和9年度 事業の概要(概算要求PR版)令和8年度 事業の概要(当初予算PR版)予算のページ確認 2026-09-05

    ⚠️ 食肉処理施設の整備には、面積あたりの上限単価など細かい決まりがあります。 これは実施要綱・実施要領の別表で決まっており、年度で動きます。 金額を前提に計画を組む前に、市町村の担当課(農林・農政の窓口)に、その年度の単価を確認してください。

    📌 ジビエの認証制度(国産ジビエ認証)はシカとイノシシが対象で、熊は対象外です。ただし、この交付金そのものは熊も対象になり得ます。 認証が取れないことと、交付金が使えないことは別の話です。


    2. 指定管理鳥獣対策事業交付金(環境省)

    「獲る」側を支える交付金です。クマ類が指定管理鳥獣に加わったことで、熊の捕獲がこの交付金の射程に入りました。

    項目 内容
    所管 環境省
    交付対象者(実施主体) 都道府県・市町村および複数の都道府県が参加する連携協議会
    対象となる鳥獣 ニホンジカ、イノシシ、クマ(クマ類を含む)
    交付率 交付要綱・実施要領で定め(メニューにより異なるため、県の担当課に確認
    地方負担への措置 特別交付税措置(捕獲等事業・専門人材の配置は措置率 0.8/その他の対策は 0.5)
    出典 / 確認日 環境省 指定管理鳥獣対策事業交付金事業確認 2026-09-05

    📌 民間事業者が直接もらう形の交付金ではありません。 都道府県や市町村の事業に、担い手として関わる形になります。「うちで申請できますか」ではなく「県のこの事業に入れますか」と聞くのが正しい入口です。


    3. 農山漁村振興交付金(山村活性化対策)(農林水産省)

    鳥獣対策そのものではなく、地域資源を売り物にしていく側の交付金です。ジビエを「町の資源」として立ち上げるときは、こちらが噛み合うことがあります。

    項目 内容
    所管 農林水産省
    事業実施主体 振興山村を有する市町村、または地域協議会(構成員に市町村を含むこと)
    交付率 定額
    交付上限額 各年度 1,000万円を上限
    対象期間 原則3年間を上限
    出典 / 確認日 東北農政局 令和8年度 農山漁村振興交付金(山村活性化対策)農林水産省 農山漁村振興交付金確認 2026-09-05

    📌 「振興山村を有する市町村」かどうかは町ごとに決まっています。 まず自分の町が該当するかを、市町村の担当課に確認するところからです。


    使う前に知っておく落とし穴(3つ)

    落とし穴① お金は後から来る(精算払い)

    補助金・交付金の多くは精算払いです。先に自分で払って、あとから戻ってくるという意味です。発注から入金まで、短くて半年、長ければ1年以上かかることがあります。

    600万円の機械を入れるなら、600万円を半年から1年、自分で立て替えることになります。ここでつまずく事業者がとても多いところです。

    先に確認すること:概算払い(先に一部もらう形)が使えるか/立て替えのあいだの資金をどう用意するか。⭐順番は「補助金が先、融資が後」です。 交付決定の通知書そのものが、金融機関に対する材料になります。

    落とし穴② 交付決定より前に発注したら、対象外

    採択の通知ではなく、交付決定の通知です。 ここを1日でも間違えると、その支出は補助の対象から外れます。「採択されたからもう発注していい」は誤りです。紙が2枚あることを覚えてください。

    落とし穴③ 買ったものは自由に処分できない(処分制限)

    補助金で取得した財産は、交付の目的に反して使ったり、譲ったり、交換したり、貸したり、担保に入れたりするとき、承認が要ります。

    数年以内に事業を誰かに譲る可能性があるなら、申請する前に、その可能性を含めて交付元に相談してください。 後から出すと、最悪の場合、補助金の返還になります。黙って進めるのが一番高くつきます。


    無料で相談できる窓口

    お金を払う前に、無料で聞ける場所があります。ここを使い切ってからで遅くありません。

    窓口 何を聞けるか
    市町村の農林・農政の担当課 鳥獣交付金の入口。その年度のメニューと単価。地域協議会の有無
    都道府県の自然保護・鳥獣担当課 指定管理鳥獣の事業。捕獲の枠組み
    管轄の保健所 食肉処理業の許可。施設の造り。営業者の地位の承継
    よろず支援拠点・商工会・商工会議所 事業計画の相談。国の中小企業向け補助金
    都道府県の6次産業化サポートセンター 加工・販路のプラン。伴走支援

    ヨミノワができること

    ヨミノワは、この地図を読んで、どの交付金に、どの器(=申請できる立場)で、どの順番で並ぶかを設計するところをお引き受けしております。あわせて、申請に必要な資料とデータの整理、採択後の事務局運営の支援を行います。

    🔴 官公署に提出する書類の作成は行政書士の業務にあたるため、当社では代行いたしません。 報酬の名目を問わず制限される旨が、令和8年1月1日施行の改正行政書士法(第19条)で明確化されています。書類の作成・提出代理が必要な場面では、行政書士と連携してお進めいたします。

    「うちなら通ります」とは申し上げません。 制度がどうなっているかと、通るために何が足りないかを、資料でお示しいたします。詳しくは補助金支援へ。

    ジビエ事業そのものについてはジビエ事業、細かい疑問はジビエのよくある質問にまとめています。


    ご相談はお問い合わせより承ります。

    最終更新: 2026-09-05 / 次回見直し予定: 2026年12月(四半期に1回)

    がらんどうであることが、すべてを受け取る準備である。