ジビエ事業 — 獲った熊を、記録して、資源にする(秋田・羽後町)

    獲った熊を、記録して、資源にする

    秋田県羽後町で、捕獲されたツキノワグマの利活用に、現場から取り組んでいる現在進行形のプロジェクトです。合同会社ヨミノワは一般社団法人日本ジビエ振興協会の法人会員として、同協会とパイロットプロジェクトを進めています。

    当社は「見えなかった経営の地層を掘り起こし、横につないで、一緒に事業を育てる会社」です。ジビエは、その3つを当社が自分の手で試している現場でもあります。制度と数字を掘り、猟師・処理施設・町・協会をつなぎ、町の資源として続く事業に育てる。その途中経過を、このページに置いています。

    このページに、完成した成功事例は書いてありません。書けるのは、いま進めていることと、調べて分かった数字だけです。進んだ分だけ、このページを更新します。

    囲炉裏で焼かれる熊肉の串

    このページの要点(2026年10月時点)

    • 秋田県羽後町で、捕獲されたツキノワグマを食肉として活かす取り組みを、経営支援の会社(合同会社ヨミノワ)が現場で進めています。一般社団法人日本ジビエ振興協会の法人会員です。
    • いまは冷凍保管中の熊肉を食べてもらうため、骨切り機を手配し、熊肉丼の試作と期間限定のジビエ食堂(2027年秋の開店が目標・保健所の許可後)を準備しています。
    • 熊ジビエに使える国の交付金は、令和9年度の概算要求で約2倍。使い方の要点と、現場の課題をこのページにまとめています。

    いま現場で起きていること(2026年10月)

    2026年11月4日 追記:今年の熊は、去年の半分

    先週(2026年10月末)、羽後町の処理施設の社長に聞いた話です。羽後町で捕獲された熊は、去年が約14頭、今年は今の時点で7頭。今年はブナの実が豊作で、熊が山の中で食べ物に困らなかったため、少なかったようです。

    ここに、ジビエ事業の難しさがあります。「仕入れが去年の半分です」という商売は、ふつうは成り立ちません。熊肉は、自然が量を決めるまさに水物です。

    だからこそ、この難しさを分かったうえで、上手に付き合っていく気持ちが要ると考えています。毎年同じ量を仕入れて同じだけ売る、というふつうのビジネスの型には当てはまらない代物だ、というのが現場にいる私たちの実感です。

    現場で、手弁当でやっています。

    羽後町の処理施設の冷凍庫には、いま大量の熊肉が冷凍のまま眠っています。獲れた熊は処理施設で肉になります。でも、食べる場所と売る道がなければ、肉は冷凍庫から出ていきません。これがジビエの一番地味で、一番大きな壁です。

    冷凍庫に真空パックで保管されたツキノワグマの肉
    冷凍庫で出番を待つ熊肉(2026年11月2日・ラベルは読めない大きさにしています)

    そこで、まずは自分たちで食べられる形にすることにしました。熊肉は骨が太く、凍ったままでは普通の包丁ではまったく歯が立ちません。熊の骨も切れるであろう骨切り機(=肉を骨ごと切る電動のこぎり)をAmazonで手配しました。

    届いた骨切り機(肉を骨ごと切る電動のこぎり)
    2026年11月2日、骨切り機が届きました

    そして2026年11月2日、骨切り機は無事に届きました。いまは現地で、凍った熊肉をせっせと切っています。次は熊肉丼の試作です。

    骨切り機の台にのせた熊肉のかたまり
    骨切り機の台にのせた熊肉のかたまり(2026年11月2日)

    その先にあるのがジビエ食堂です。処理施設の敷地にある小屋を、保健所に相談しながら期間限定の小さな食堂にする計画で、食堂事業は着々と準備中です。お店としてお出しするのは、保健所の営業許可が下りてからになります。

    羽後町のジビエの現場にある木造の小屋
    羽後町の現場(2026年11月)

    こうご期待……? 試作の様子も、うまくいかなかったことも、このページに書いていきます。

    今どこまで来たか(年表)

    時期 できごと
    2026年春 熊肉の販売ルート・許認可・補助金について、法令と一次資料をひととおり調べ直す
    2026年 一般社団法人日本ジビエ振興協会の法人会員となり、パイロットプロジェクトを開始
    2026年7月31日 羽後町でジビエ利活用の勉強会と試食会を開催(協力:合同会社ヨミノワ/参加25名/行政関係者を含む)。熊・猪あわせて6品目を試食
    2026年8月 地元紙に取り上げられる
    2026年9月 町の資源として続けるための事業のかたちを、関係者と協議中
    2026年10月 冷凍保管中の熊肉を食べられる形にするため、骨切り機を手配(到着待ち)。熊肉丼の試作と、期間限定のジビエ食堂の準備を開始

    勉強会と試食会では、中心温度75℃で1分間以上の加熱と同等以上になるよう管理して提供しました。試食に起因する健康被害の報告はありません。

    秋田のジビエ、数字の現在地

    制度と予算は年度で動きます。出典と確認日を必ず添え、四半期に1回見直します。

    何 数字 出典 / 確認日
    秋田県内のジビエ処理加工施設 4施設 農林水産省 ジビエ処理加工施設の一覧 / 確認 2026-09-02
    鳥獣被害防止総合対策交付金(令和9年度 概算要求) 19,574百万円(前年度 9,900百万円=約2倍) 農林水産省 事業の概要(概算要求PR版) / 確認 2026-09-05
    国が掲げるジビエ利用量の目標 4,000t(令和11年度まで) 同上 / 確認 2026-09-05
    未利用部位のペットフード利用 令和9年度の概算要求に明記あり 同上 / 確認 2026-09-05

    読み方をひとつだけ。国は予算を倍にしようとしていて、県内で受け皿になれる施設は4つしかありません。 お金より先に、受け皿と記録が足りていない、というのが現在地です。

    なぜ経営支援の会社がクマなのか?

    秋田県は全国有数のツキノワグマ出没地域です。人里への出没が増え、捕獲される個体も増えていますが、その多くは食肉として活用されないまま処分されています。

    獣害対策が「駆除して終わり」である限り、地域には負担だけが残ります。捕獲された命が適切に処理され、価値ある食資源として地域の経済に還る仕組みができれば、獣害対策はコストから資源に変わる。地域事業の支援を本業とするヨミノワにとって、これは机上では解けない、現場でしか解けない課題です。だから自分でやっています。

    「防ぐ対策」だけでは足りない?

    カメラトラップ、出没通知アプリ、箱わな、忌避スプレー、熊鈴。いずれも大切な対策で、否定するつもりはまったくありません。ただ、これらはすべて「防ぐ」「追い払う」ための道具です。

    ヨミノワの答えは、その先にあります。産業として持続可能で、収益を生み出す新たな産業をつくること。 獣害対策が補助金と善意だけで支えられている限り、担い手は増えません。クマの利活用が「続けられる仕事」になったとき、はじめて対策は地域に根づく。それがヨミノワの立ち位置です。

    「本当の利活用」とは何か?

    捕獲されたクマを、話題性のための一発企画ではなく、猟師・処理・流通・食卓まで筋の通った形で活かすことです。

    クマ肉は、鮮度管理と処理の質で味がまったく変わる食材です。だからこそ、捕獲から処理までの時間、止め刺しの方法、衛生管理といった現場の技術が決定的に重要で、これは地元猟師の方々との信頼関係なしには成立しません。ヨミノワはいま、その土台づくりの段階にいます。

    炭火で焼かれる熊肉のかたまり

    私たちの立ち位置 — 民間で、水物と付き合う

    行政や国が主導するのではなく、民間でやる

    熊の問題は、行政や国が予算をつけて主導するもの、と考えられがちです。もちろん交付金や制度は大切で、このページでも使い方を書いています。ただ、予算は年度ごとに変わり、担当の方も数年で替わります。行政の予算がついた時だけ動く取り組みは、予算が切れた時に止まります。

    だから当社は、民間の立場で、現場の人と一緒に手を動かすことを軸にしています。制度は使えるときに使う道具であって、取り組みの主役ではありません。町や国の方には、民間が続けている取り組みを後ろから支えていただく。その順番が、長く続く形だと考えています。

    去年獲れたものが、今年も獲れるとは限らない

    ジビエは、去年たくさん獲れたからといって、今年も同じだけ獲れるとは限りません。山の実りや天候、熊の動きで、捕獲の数は年ごとに大きく変わります。牛や豚のように「毎月これだけ出荷して、これだけ売る」という計画は、そもそも立ちません。

    なので当社は、ジビエを「毎年きちんと利益を出す、ふつうの事業」という物差しでは見ていません。大事なのは、量が読めない「水物」と、どう付き合い続けるかです。

    • 大きく構えない:獲れる量に合わせて伸び縮みできるよう、大きな設備投資より、手の届く道具と小さな仕組みから始めます
    • 獲れた年に、獲れた分だけ:常時営業ではなく、期間限定の食堂のように、量に合わせて開く・閉じるができる形にします
    • 保存がきく形に変える:加熱して保存できる加工品や未利用部位の活用で、獲れる年と獲れない年の波をならします
    • 赤字にしない、を目標にする:大きな利益より、続けられることを優先します。補助金がなくなったらやめる、では意味がありません

    持続可能であることと、量が読めないこと。この2つを両立させる形を、試行錯誤しながら探しています。

    ヨミノワがやっていること(3本)

    処理や解体の腕前は、猟師と処理施設のものです。ヨミノワがやるのは、その手前と後ろにある記録・制度・仕組みの3本です。どれも、いま誰かが埋めないと先に進まない場所だから選びました。

    1. 記録する — 台帳をつくる

    やること:いつ・どこで・誰が獲り、どう処理したかを、あとから引ける形(=台帳)で残す仕組みをつくる。頭数の管理を紙とホワイトボードから、検索できるデータに移します。

    なぜここか:ブランドも認証も、記録がなければ成立しません。厚生労働省のガイドラインも、捕獲の日時・場所・方法・被弾部位・外見の異常の有無・放血や内臓摘出の状況を記録に残すことを求めています。それでも、記録の土台をつくる担当は空席のままでした。 記録と仕組みづくりを本業にしている会社が入る意味は、たぶんここにしかありません。

    2. 引き受ける — 受け皿になる

    やること:処理施設のない町で獲れた個体を、羽後町が引き受けられるようにする(=広域搬入)ための、制度と段取りの設計。

    なぜここか:県内の処理加工施設は4施設。物語のない町でも、県全体のインフラ(=土台となる設備)にはなれます。 ただしこれは他の市町村との合意が要るので、いますぐの話ではありません。順番としては2年目以降です。

    3. 常温にする — 保存がきく形にする

    やること:加熱して仕上げる加工品と、未利用部位の使い道(ペットフードなど)を検討する。

    なぜここか:加熱すれば寄生虫のリスクは消え、在庫は腐らず、道の駅やふるさと納税、通信販売に乗ります。国は令和9年度の概算要求に「未利用部位のペットフード利用」を書き込みました。 生肉と飲食店だけを見ていると、この行は視界に入りません。

    熊肉のパテと焼いた熊肉の一皿

    現場の課題 — 手を動かして、はじめて分かったこと

    机の上で制度を読んでいたころには見えなかったことが、現場に通うと次々に出てきます。羽後町のベテラン猟師さん(70代)とは月に1回ほど話していますが、毎回「課題山積」という言葉に行き着きます。きれいごとにせず、いま分かっていることを全部書いておきます。

    1. 熊は「水物」。毎年どれだけ獲れるか分からない

    熊の捕獲頭数は、山の実りや出没の状況で年ごとに大きく振れます。たくさん獲れる年もあれば、ほとんど獲れない年もある。仕入れの量が読めない食材で、商売の計画を立てるのはとても難しいのです。牛や豚のように「毎月これだけ出荷する」という前提が成り立ちません。ジビエを本業一本で食べていくのが難しい、一番の理由はここにあります。

    2. 肉はある。でも、出口がない

    処理施設があっても、肉を食べてもらう場所・売る道がなければ、冷凍庫に積み上がるだけです。いま羽後町で起きているのがまさにこれです。冷凍庫の電気代は、肉が売れなくても毎月かかります。獲る・さばくの次に要るのは「食べてもらう場所」だと、身をもって知りました。食堂はそのための装置です。

    3. 熊の骨は太い。道具がなければ始まらない

    熊は猪や鹿より骨が太く、肉も大きな塊で冷凍されています。丼にするにも、まず切れなければ話になりません。だから骨切り機です。地味ですが、こういう道具ひとつで、肉が「在庫」から「料理」に変わります。大きな施設投資の前に、まずは手の届く道具から揃えています。

    4. 担い手が高齢化している

    熊を獲る人も、さばく人も、衛生管理を担う人も、ベテランに支えられています。次の担い手がいないまま技術だけが失われれば、施設があっても動かなくなります。衛生管理の担い手づくりと後継者の育成は、お金より先に手を打たないといけない課題です。

    5. 衛生はいちばん手を抜けないところ

    熊肉は寄生虫(旋毛虫)やE型肝炎ウイルスのリスクがあり、十分な加熱(中心温度75℃・1分以上)が欠かせません。生食やレアでの提供は絶対にしません。食堂では、仕込みの段階でしっかり煮込み、その温度を記録に残す作り方を考えています。営業中に毎回温度を測るより、仕込みの1か所で確実に押さえる方が、事故が起きにくいからです。

    6. 許可の線引きがややこしい

    熊肉をさばくのは食肉処理業の許可、料理として出すのは飲食店営業の許可、と役割ごとに必要な許可が違います。どこまでを処理施設で、どこからを食堂でやるかで、必要な設備も手続きも変わります。だから最初の一歩は、保健所への相談です。熊肉を出すことを隠さず、最初から全部話して進めます。

    7. 補助金はある。でも、使いにくい

    国はジビエに予算をつけています。ただ現場から見ると、使いにくさがいくつもあります。

    • 申請できる主体が決まっている:国の交付金は、市町村や地域の協議会が実施主体になるメニューが多く、個人や1社では直接申し込めないものがあります。
    • 自己負担がある:機械や設備の整備は補助率2分の1以内が基本です。残り半分は自分で用意しなければなりません。
    • 順番を間違えると全部消える:補助金は原則として、交付が決まる前に発注・契約したものは対象外です。急いで先に買うと、1円も出ません。
    • 買った後も縛りがある:補助金で買った機械は、勝手に売ったり譲ったりできません(処分制限)。
    • 年度の途中では予算が尽きている:今年度の枠はほぼ使い切られていて、本格的に動けるのは来年度(令和9年度)からになります。

    だから今は、補助金を待たずに、自分たちで手の届くところから動いています。骨切り機も、そのひとつです。

    8. 町にもお金がない

    小さな町の財布には限りがあります。町に新しい負担をお願いする座組みは、そもそも通りません。だから当社は、町の負担がなく、国の補助率が高いものを探して組み立てることにしています。忙しい行政の方の手を止めないよう、説明資料はこちらで用意して持っていきます。

    熊ジビエに使える補助金(現場で読んだ要点)

    熊のジビエ利用で中心になるのは、農林水産省の鳥獣被害防止総合対策交付金です。令和8年度の内容から、現場で効きそうなところを抜き出しました。

    支援の内容 補助率・上限(令和8年度) 現場から見たポイント
    ジビエ等の利用拡大に向けた地域の取組(飲食提供・イベントなど) 定額・1市町村300万円以内 全額国費。食べてもらう場づくりに使える入口
    処理加工施設の人材育成(衛生管理の担い手づくりなど) 定額・1施設192万円以内 担い手の高齢化に直接効く
    販売拡大支援(新しい販路づくり) 定額・1市町村300万円以内 「肉はあるのに出口がない」への処方
    処理加工施設の機器整備 2分の1以内 残り半分の自己負担をどう組むかが勝負
    捕獲個体をジビエ利用した場合の捕獲活動経費 1頭9,000円(埋設処分は7,000円) 処理施設に持ち込む方が、捕獲する人の手取りが増える設計

    出典:農林水産省「鳥獣被害防止総合対策交付金について 令和8年度版」(確認 2026-10-09)。実施主体はいずれも協議会等で、町の鳥獣被害防止計画に書かれているかどうかが、手を挙げられるかどうかの前提になります。令和9年度の金額・要件は、実施要領が出た段階で確認し直します。

    食堂のような自社の小さな事業は、交付金とは混ぜず、小規模事業者持続化補助金などの別の枠で考えます。交付金(地域の仕組みづくり)と、自社の店の整備は、お財布を分けておくのが鉄則です。もっと詳しい一覧は鳥獣・ジビエの補助金地図にあります。

    令和9年度、ヨミノワのジビエはこう動く

    国の令和9年度の概算要求では、鳥獣被害防止総合対策交付金が195.7億円(令和8年度99.0億円)とほぼ倍に増えています。あわせて国は「恒常的な施策は補正予算に頼らず当初予算に計上する」方針を示しており、年度の途中で拾い直す機会は細くなる見込みです。つまり来年度は、年度のはじめに準備ができているかどうかで差がつく年になります。

    そのうえで、令和9年度のヨミノワのジビエは、次の5本で動きます。

    1. まず食堂から:ブランドづくりはまだ早い、と考えています。いまは、冷凍庫の熊肉を食べてもらう期間限定のジビエ食堂を形にすることが最優先です。完全予約制・春と秋中心の営業で、2027年秋の開店を目標にしています。
    2. 代表が店に立たなくても回る店にする:予約と事前決済、仕込み量の計算、売上の記帳までをデジタルとAIで回し、少ない人手で続けられる店の実証をします。経営支援とAIを本業にする会社がジビエをやる意味は、たぶんここにあります。
    3. 担い手と衛生を支える:処理施設の衛生管理の担い手づくりと、技術を次の世代へつなぐ取り組みを、国の支援を活かして進めたいと考えています。
    4. 未利用部位を研究する:肉にならない部位の使い道(ペットフードなど)を研究します。国の概算要求にもペットフード利用が明記されています。
    5. 記録を残し、数字で語る:捕獲と処理の台帳に加えて、熊肉が1kgあたりいくらで食べてもらえたかという実データを食堂で取ります。この数字が、通信販売や加工品、ほかの地域に広げるときの値付けの根拠になります。

    羽後町が主役で、地域みんなで盛り上げる形を大事にします。当社だけが儲かる話ではなく、町の資源として続く仕組みをつくることがゴールです。補助金がなくなったらやめる、では話になりません。限られた時間と支援を使い切って、続けられる形を試行錯誤でつくっていきます。

    骨切り機が届いたら、また書きます。

    よくある質問

    より詳しい版はジビエのよくある質問にまとめています。補助金だけを見たい方は鳥獣・ジビエの補助金地図へ。

    熊肉は買える?

    2026年11月現在、熊肉の売買(ご購入・お取引)はお受けしていません。準備と体制が整い次第、受付を始める予定です。(2026-11-04 時点)

    羽後町の現地視察や勉強会はできる?

    できます。羽後町の現地視察、熊ジビエの勉強会、現場の課題の共有は原則無料です。連携している処理施設「猟友食肉羽後」へのご連絡や施設の視察のご相談も、ヨミノワが窓口としてお受けしています。お問い合わせフォームからご連絡ください。

    秋田(羽後町)の熊は、毎年同じくらい獲れる?

    いいえ。羽後町の処理施設の社長への聞き取り(2026年10月末)では、羽後町での熊の捕獲は2025年が約14頭、2026年は11月初めの時点で7頭と、およそ半分でした。2026年はブナの実が豊作で、熊が山の中で食べ物に困らなかったことが理由とみられています。熊肉は量を自然が決める「水物」で、毎年同じ量を仕入れる前提の事業計画は立てにくい、というのが現場の実感です。(聞き取り 2026年10月末・掲載 2026-11-04) 現場メモを読む

    熊肉は安全に食べられる?

    適切に処理し、十分に加熱(中心温度75℃・1分以上が目安)すれば食べられます。野生鳥獣の肉を生食することは絶対に避けてください。これは厚生労働省の野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)でも明示されています。同ガイドラインはイノシシとシカを念頭に作られていますが、他の野生鳥獣を扱うときにも留意すべきものとされています。(確認 2026-09-05)

    熊肉はどんな味?

    処理の質に大きく左右されますが、適切に処理されたクマ肉は脂に独特の甘みがある、力のある赤身肉です。「クマは臭い」という通説の多くは、処理の問題であって素材の問題ではないと私たちは考えています。

    熊肉を売るのに、どんな許可が要る?

    食肉処理業の営業許可(食品衛生法)が土台です。同じ施設の中で小売りをする分には、追加の許可は不要とされています。一方、他の場所に卸したり別拠点で売ったりする場合は食肉販売業の許可が必要です。ただし線引きは施設の造りと売り方で変わります。着手する前に管轄の保健所に確認してください。(確認 2026-09-05)

    旋毛虫(せんもうちゅう)の検査は義務?

    法律上の義務ではありません。 と畜場法の対象は牛・馬・豚・めん羊・山羊で、熊は入っていません。義務がない代わりに、十分な加熱(中心温度75℃・1分以上)が唯一にして最大の予防策になります。E型肝炎ウイルスも同じ考え方です。自主的に検査を出すことはできます。

    捕獲した熊は、誰のもの?

    野生の鳥獣は民法上の「無主物(=持ち主のいないもの)」で、鳥獣保護管理法に所有権の帰属を定めた条文はありません。狩猟期間中の狩猟なら猟師、市町村から委託を受けた有害鳥獣捕獲なら契約次第、というのが一般的な整理です。条文がないということは、揉めたときに拠りどころがないということでもあります。 市町村と猟友会のあいだで、所有権の移り方を覚書などの書面にしておくのが一番安全です。

    補助金は何がある?

    国の交付金が中心です。金額・交付率・実施主体は年度で変わるので、鳥獣・ジビエの補助金地図に出典と確認日つきでまとめています。

    事業を譲り渡したら、食肉処理業の許可は引き継げる?

    食品衛生法には営業者の地位の承継という仕組みがあり、相続・合併・分割のほか、2023年12月13日以降の事業譲渡も届出で引き継げる対象に入りました。ただし業種と許可を受けた日で扱いが変わります。 譲る側・譲られる側の双方が動く前に、管轄の保健所に確認してください。(確認 2026-09-05)

    補助金でつくった施設や機械は、あとから自由に処分できる?

    できません。補助金で取得した財産には処分制限があり、交付の目的に反して使ったり、譲ったり、貸したり、担保に入れたりするときは承認が要ります。数年以内に事業を誰かに譲る可能性があるなら、申請する前に、その可能性を含めて交付元に相談してください。 黙って進めるのが一番高くつきます。

    協議会が主体、とはどういう意味?

    国の交付金の多くは、事業を実施する主体を「市町村」や「地域協議会」「民間団体等」と決めています。つまり、個人や1社では直接申請できないメニューがあるということです。だから器(=申請できる法人や協議会)をどう用意するかが、金額の話より先に来ます。

    一般社団法人はつくったほうがいい?

    一概には言えません。 交付金の実施主体になれる・事務局を持てるという利点がある一方、資金調達の面では不利な点があります。持分がないので出資は受けられず、信用保証協会の保証対象は「会社および個人」と組合が基本です。器の選び方は、何を申請するかと、誰が返済の主体になるかで変わります。

    「うちは補助金が通りますか」と聞いてもいい?

    聞いてもらって大丈夫です。ただ、このページでは個別に「通る/通らない」の判断は答えません。 制度の一般的な説明と、どこにお尋ねいただくかの窓口までが、このページの役割です。個別の案件はご相談として受けています。

    熊肉を選ぶとき、ここを見てください

    熊肉への注目が高まるなかで、出どころや処理の説明がはっきりしない売り方も見かけるようになりました。誰かを名指しするつもりはありません。ただ、食べる人・仕入れる人が自分で確かめられる点を、現場の立場から書いておきます。

    1. 食肉処理業の許可を持つ施設で処理されているか:野生の熊を食肉として売るには、保健所の許可を受けた処理施設を通す必要があります。施設名や許可の有無を答えられるかが、最初の分かれ目です。
    2. いつ・どこで獲れた個体か言えるか:捕獲の日時・場所・方法は、国のガイドラインでも記録が求められています。「秋田の熊」だけでは足りません。
    3. 加熱の説明があるか:熊肉は中心温度75℃・1分以上の加熱が前提です。生食やレアをすすめる売り方は避けてください。
    4. 効能や希少性だけを売りにしていないか:「精がつく」「幻の肉」といった言葉だけで、処理や衛生の説明がないものは注意が必要です。
    5. 値段の根拠を説明できるか:熊肉は1頭から取れる量が少なく、処理の手間もかかります。極端に安い・高い場合は、理由を聞いてみてください。

    当社が関わる熊肉は、すべて食肉処理業の許可を持つ町内の処理施設を通したものです。生の状態での提供はしません。

    このページについて — 誰が、何を根拠に書いているか

    書いている人:合同会社ヨミノワ 代表社員 吉野智人。秋田商工会議所 商工調停士、秋田県信用保証協会 専門家派遣の登録専門家として、秋田の中小企業の経営支援に9年携わってきました(代表について/会社概要)。
    吉野 智人 直筆サイン

    会社の立場:一般社団法人日本ジビエ振興協会 法人会員。事業継続力強化計画 認定(2026年9月)、中小企業庁「M&A支援機関登録制度」登録(2026年10月)。

    書き方の決まり:制度と数字は、国・県・町の一次資料にあたり、出典と確認日を添えます。分からないことは「分からない」と書きます。補助金の個別の可否や、法律の判断は書きません(法律は弁護士、申請書類は行政書士の仕事です)。

    私たちがしないこと:熊肉の生での提供/保健所の許可が下りる前の販売や飲食提供/根拠のない効能の宣伝/現場の方の実名や捕獲場所の詳細を、本人の了解なく公開すること。

    更新履歴

    • 2026-11-04:いま現場で起きていること に「今年の熊は、去年の半分」(羽後町の捕獲数)を追記、よくある質問に1問追加、現場の写真4枚(骨切り機・冷凍庫の熊肉など)を追加。骨切り機の到着、現地視察・勉強会(原則無料)と窓口、熊肉の売買は受付前であることを追記
    • 2026-10-20:私たちの立ち位置(民間で、水物と付き合う)、いま現場で起きていること(骨切り機の手配・熊肉丼の試作・ジビエ食堂の準備)、現場の課題、熊ジビエの補助金、令和9年度の方向性、熊肉の見分け方を追加
    • 2026-10-12:内容を更新
    • 2026-07-11:ページ公開

    取材・報道関係の方へ

    熊の出没が社会の問題になるなかで、「獲ったあと」の話はほとんど報じられていません。冷凍庫に積み上がる熊肉、高齢化する担い手、使いにくい補助金。現場で手を動かしている立場から、事実と数字でお話しできます。

    • お話しできること:捕獲後の熊肉が地域でどう扱われているか/ジビエ利用の制度と予算(出典つき)/小さな町で事業として続けるための課題/ジビエ食堂の準備の様子
    • 現場の撮影・同行:処理施設や猟師さんのご了解が必要なため、事前にご相談ください
    • このページの写真・数字の引用:出典として本ページ(yominowa.com/gibier/)を明記いただければ可能です。写真の二次利用は個別にご相談ください

    ご連絡はお問い合わせフォームから(件名に「取材」とお書きください)。お電話での受付はしていません。

    連携の形(相手別)

    自治体・協議会の方へ

    交付金の実施主体・事務局まわりの設計と、申請から実績報告までに必要な資料・データの整理を引き受けます。頭数と処理の記録をデータで残す仕組みも、あわせて設計します。

    官公署に提出する書類の作成そのものは行政書士の業務です。当社では代行しません。 必要な場合は行政書士と連携して進めます。(行政書士法第19条/令和8年1月1日施行の改正法)

    猟友会・処理施設の方へ

    台帳(頭数・処理の記録)のデジタル化と、補助金制度の調査・整理です。「まず何から手をつけるか」というご相談のみでも受けています。

    飲食店・加工事業者の方へ

    原料の確保と、加工・保存がきく形にするところのつなぎ役です。制度上どこまでできるかの整理から一緒にやります。

    補助金の話は補助金の相談・初回診断、記録の仕組みの話は仕組みづくり(受託開発)もあわせて見てください。

    現地視察・勉強会・課題の共有は、原則無料です

    羽後町の現地視察、熊ジビエの勉強会、現場で実際に起きている課題の共有は、原則無料で行っています。お気軽にお問い合わせください。

    連携している処理施設「猟友食肉羽後」さんへのご連絡や、施設(工場)の視察のご相談は、基本的にヨミノワが窓口としてお受けしています。

    熊肉の売買(ご購入・お取引)は、現在お受けしていません。準備と体制が整い次第、受付を始める予定です。


    ご連絡はお問い合わせから。

    最終更新: 2026-11-04

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