経営環境の変化には2種類あります。目に見える変化と、静かに進む変化です。
原材料の高騰、金利の上昇、最低賃金の引き上げ。これらは目に見えます。ニュースになり、業界内でも話題になり、対策を打つ機会があります。
一方、静かに進む変化は気づきにくい。同業他社が去年と同じように見えて、実は事務作業の量が半分になっている。同じ人数で提案件数が倍になっている。外からは分かりません。
数字で見た構造の差
従来型の組織では、粗利の50〜80%が人件費に向かいます。サービス業で71.5%、医療・福祉で83.0%。1人採用するのに650万円、そのうち約4割が定着せず離れていく。
この負担を大幅に軽くした事業者が現れると、同じ市場で、同じ価格帯で、まったく違う利益構造で戦うことになります。値下げ競争になれば、耐久力の差がそのまま結果になります。
「うちの業界には来ない」の危うさ
地方の中小企業からよく聞くのが「うちの業界は人がやらないと無理」という言葉です。半分は正しい。施工も、介護も、調理も、人がやります。
しかし、その周辺の業務——見積、請求、報告書、記録、問い合わせ対応、シフト作成、在庫管理——は事情が違います。そして多くの業種で、この周辺業務が労働時間の3〜5割を占めています。
現場は人がやる。周辺は仕組みに渡す。この切り分けができている会社とできていない会社では、5年で相当な差がつきます。
今日できること
大掛かりな投資は要りません。まず、先月の自社の業務を「現場」と「周辺」に分けて、時間を概算する。周辺が3割を超えていれば、そこに手を入れる価値があります。
変化は音を立てて来ません。だからこそ、こちらから数えに行く必要があります。
合同会社ヨミノワは、秋田を拠点にAI活用の伴走支援を行っています。
