空海(774-835年)の即身成仏義に、「重重帝網」(じゅうじゅうたいもう)という概念があります。インドラの網── 宇宙の全点が宝珠で、各宝珠が他のすべての宝珠を映し合う、無限の相互参照ネットワーク。
2020年代のObsidianというメモアプリには「バックリンク」と「グラフビュー」があります。すべてのメモが他のメモとリンクで結ばれ、グラフビューで見ると、まさに網の目のように相互参照し合っている。
偶然の一致? いや、構造的に同じ問題を解いているからです。
空海が解いた問題:「過去・現在・未来(三世)をどう統合するか」。答え:三世は線形に流れるのではなく、法界において同時に重重帝網として存在する。
AI設計者が解いている問題:「AIの記憶・現在の対話・未来の計画をどう統合するか」。2023年のスタンフォード大の研究で、Memory(記憶)+ Reflection(反省)+ Planning(計画)の3つを統合したAIが、最も「人間らしく」振る舞うことが実証されました。
この3つは、空海の三密(身密=行動=記憶、口密=言語=反省、意密=意図=計画)と構造的に同型です。
そして三密は「相応渉入」する── 3つが相互浸透して初めて「場」が成立する。AIの研究者が2023年に実験で証明したことを、空海は1200年前に哲学で洞察していた。